セットアップと運用

セットアップと運用#

TwinCATプロジェクトの設定#

  1. EL6601をEtherCATターミナルとして接続し、TwinCATのIOのDeviceからSCANを行います。

  2. ソリューションエクスプローラからEtherCATマスターを選択し、EtherCATタブ>Advanced Settings...>EoE Supportを選択して以下の設定を行います。

    • Virtual Ethernet Switch > Enable

    • Windows Network > Connect to TCP/IP Stack

    注釈

    Windowsネットワーク内の、IP Enable Routerは、IPCのWindowsやTwinCAT内からEL6601に接続したコンピュータの接続を行う場合は無効設定で構いません。この設定を有効にするとIPCの外部コンピュータが、IPCを経由して(ルーティング)通信できるようになります。有効にするには、設定後一度IPCの再起動が必要です。IPCに接続された外部のコンピュータのゲートウェイ設定にIPCのEtherCATマスターに設定したIPアドレス(後述の手順4.)を設定することでそのコンピュータはEL6601越しに接続されたコンピュータと接続することができます。

  3. FreeRUNまたはRUNモードに移行して、EL6601をPREOPまたはOP状態にする。

    TwinCATでActive configurationを行い、RUNモードに移行すると、次の通りPREOP状態になります。

  4. Windowsネットワーク設定において、EtherCATマスターのネットワークカード設定を行います。EtherCATマスターを接続したI/Fカードのアダプタ設定のプロパティを開き、TCP/IP V4設定を開きます。ここでは、EtherCATマスタのホストアドレスを192.168.1.10/24と設定する例を示します。

    図 6.32 CXにおけるWindowsのバーチャルネットワークカード#

    CXなどの組み込み型PCのE-busにEL6601, EL6614を取り付けた場合の既知の問題と対処方法

    CXのE-busは、汎用的なイーサネットアダプターではなくEPCの内部FPGA上に作成された論理的なイーサネットポートです。このため、EL6601がPREOPOPの状態になったときのみ図 6.32のようなBeckhoff virtual ethernet adapterが現われるような、専用のTwinCATのドライバが別途存在します。

    このドライバは、TwinCATのバージョン毎に差し替えが必要ですが、工場出荷時のCXに対して後からインストーラでTwinCATをバージョンアップすると、ドライバの上書きに失敗する問題があります。このためドライバファイルは古いTwinCATバージョンのままとなってしまい、整合しないドライバのため、EL6601やEL6614がOP状態になってもBeckhoff virtual ethernet adapterが現われない問題が生じます。

    この問題の対処方法として、次の手順を実施し、手動でバージョンが整合していないドライバファイルを一旦削除してから再度TwinCAT XARをインストールして適合するドライバに差し替えてください。

    1. C:\Windows\System32\Drivers以下の次の2ファイルを削除する。

      Windowsにより使用されている場合は削除できませんので、一旦リネームしてWindowsを再起動してから削除してください。

      C:\Windows\System32\Drivers
       TcVirtualMP.sys
       TcVirtualMPBus.sys
      
    2. 一旦Windowsを再起動し、上記ファイルが確実に削除されていることを確認する。

    3. 目的のバージョンのTwinCAT XARを再インストールする。

    4. 上記ファイル(TcVirtualMP.sys,TcVirtualMPBus.sys)が存在することを確認する。

    5. 本手順書に基づいてEL6601, EL6614を適切に設定し、OPまたはPREOP状態にすると、図 6.32のようにBeckhoff Virtual Ethernet Adapterが現われることを確認する。

  5. 起動時にRUNモードへ移行する設定を行う

    起動時に自動的にEL6601がPREOP以上の状態に移行するためには、自動ログイン、自動RUNモードへの移行設定を行う必要があります。下記のとおり設定してください。

  6. 接続テスト

    IPCを再起動し、RUNモードになったら、EtherCATのパケットが回っている(高速に点滅する)こと、および、EL6601がRUNのLEDが点滅していることを確認します。

    EL6601と他のPCをEthernetケーブルで接続し、他のPCのIPアドレス設定を192.168.1.11/24に設定してください。IPCのWindows上のPowerShell等から次のとおりpingコマンドを送り応答があるかどうか確認してください。

    PS> ping 192.168.1.11
    

    pingが通らない場合ファイアウォール設定をご確認ください。

    pingが通らない場合は、Windows10側のファイアウォールの設定によりpingに応答しない設定になっている可能性があります。次図のとおり一時的にファイアウォールを無効化して再度お試しください。

    確認後は必ず有効にしなおしてください。