TwinCATビルドバージョンをフリーズする#
PLCのソースコードは、TwinCATのビルドシステムによりコンパイルが行われ、ブートイメージが生成されます。アクティブコンフィギュレーションを行うことでターゲットのXARにこのブートイメージがダウンロードされます。
このコンパイルで使用されるTwinCATのバージョンを選択することができる機能をリモートマネージャと呼びます。この節では、リモートマネージャを使って任意のバージョンでビルドを行い、プロジェクトの設定としてビルドバージョンを固定する設定手順を説明します。
準備#
任意のバージョンのリモートマネージャをあらかじめインストールしておく必要があります。これはXAEをインストールしたTwinCATバージョンとは別に用意されています。
リモートマネージャをインストールしておく事で、開発者はインストールされたTwinCAT XAEそのもののバージョンか、別途インストールしたリモートマネージャのバージョンの何れかでビルドする事が可能になります。
Tip
リモートマネージャは、TwinCAT 3.1 build 4026の場合はパッケージマネージャで、4024の場合はダウンロードサイトからインストーラをダウンロードしてインストールします。
ダウンロード可能なリモートマネージャは、代表的なもののみとなっています。任意のバージョンのリモートマネージャが必要な場合は弊社にご相談ください。
操作手順#
TwinCAT shellだけ(プロジェクトを読み込まず)に立ち上げてください。
左上のバージョン選択フィールドから以下の何れかのバージョンへ変更します。
- デフォルトバージョン
末尾に
(Default)
と記載されたバージョンです。初期状態ではインストールされたXAEバージョンとなっています。デフォルトバージョンは、XAEの Tools > Option > TwinCAT > XAE Environment > General 設定にて任意のバージョンに設定する事ができます。- 接続しているリモートのIPC上のXARと同じバージョン
Chose from Target System ...
を選択します。- インストール済みのリモートマネージャの任意のバージョン
インストールされたリモートマネージャリストされますので、任意のバージョンを選択します。
しばらくすると、リモートマネージャの表示が指定したバージョンで(Loaded)になります。
TwinCATプロジェクトを読み込みます。
読み込みが終わったら一度ビルドしてください。これでリモートマネージャで指定したバージョンでのビルドイメージが作成されます。
そのあと、SYSTEMツリーを選択し、Generalタブの中のPin Versionのチェックを入れてください。これにより、どのバージョンのTwinCATでプロジェクトを開いても、この指定バージョンでビルドされる事になります。
注釈
プロジェクトの初期設定はDefaultバージョンです。Pinバージョンを設定した場合、プロジェクトを開く度にリモートマネージャのバージョン切り替えが行われますので、通常よりもプロジェクトを開くのに時間がかかります。
リモートマネージャで指定できるバージョンは、現在インストールされているXAEのバージョンよりも古いものに限ります。
Chose from Target System ...
を選択する際、XAR側が現在お使いのXAEのTwinCATバージョンより新しいバージョンである場合はビルドする事ができません。事前にターゲットのXARのバージョンより新しいTwinCAT XAEをインストールしてください。