5.2. 原点復帰#

機能紹介#

通常に使用されているMC_Homeの動作はあらかじめ駆動の仕様が定義されて、その仕様を編集することはできない。このため、Advanced HomingライブラリのFBが用意されて、アプリケーションやユーザーの要望により、異な駆動を組見合わせて原点復帰を実行できる。

システム条件#

  • Advanced Homingライブラリを使用のためTC3.1 4024.1以降が必要

  • 基本的には下記のBAドライブをサポートする

    • EL72xx

    • AX5xxx

    • AX8xxx

定義されたファンクションブロックの概要#

  • 以下の表では、原点復帰駆動系完了系に分類している

駆動系

完了系

MC_StepAbsoluteSwitch/ MC_StepAbsoluteSwitchDetection

MC_HomeDirect

MC_StepLimitSwitch/ MC_StepLimitSwitchDetection

MC_FinishHoming

MC_StepBlock/ MC_StepBlockDetection/ MC_StepBlockLagBased /MC_StepBlockLagBasedDetection

MC_AbortHoming

MC_StepReferencePulse/ MC_StepReferencePulseDetection

駆動系#

  • 参照の信号を検出するため、原点復帰シーケンスを開始する。参照信号の種類により下記のFBが用意される:

    • MC_StepAbsoluteSwitch:アブソリュートスイッチやリミットスイッチを検出する原点復帰

    • MC_StepLimitSwitch:リミットスイッチを検出する

    • MC_StepBlock:物理のブロックを検出する

    • MC_StepReferencePulse: エンコーダーのZ相信号を検出する

  • "Detection"が付いてあるFB(例はMC_StepBlockDetection)は追加で検出された位置データを保存するための出力がある

  • 駆動系のFBを実行すると軸を”Standstill"ステータスから"Homing"に変更する。この駆動系のFBが正常に完了しても軸はこのまま”Homing"状態が残っている。

構成例#

上記の駆動系のFBを組み合わせ、原点復帰手順を作成する①:アブソリュートスイッチ→Z相信号検出②:物理のブロックだけ検出③:物理のブロック→Z相信号検出④:リミットスイッチ→ブロック→C相信号の順番で検出する

完了系#

  • 完了系のFBを実行すると原点復帰が完了される。軸は元のステータスに戻る。完了する前にオプションとして駆動の追加ができる

    • MC_HomeDirect:現在位置を強制に設定する

    • MC_FinishHoming:追加でRelative移動できる

    • MC_AbortHoming

環境準備#

ライブラリの追加#

TwinCATの場合、AdvancedHomingのライブラリの名称はTc3_MC2_AdvancedHoming①Project-Referencesタブを右クリック→Add library…を選択②簡単にAdvancedHomingのキーワードで探し、出た結果を選択→OK